2012年2月24日金曜日

大星ビル管理事件(1)

大星ビル管理事件

そもそもどんな事件か。
月に数回、仮眠時間(7~9時間)を含む24時間勤務をする警備員さん達が
仮眠時間も労働時間なのだから、時間外勤務手当、深夜勤務手当を払え、と
請求したものであった。
蛇足ながら、つけ加えれば、賃金規程に定めてあるところの
 時間外勤務手当
 深夜勤務手当
を払え、ということだ。

この事件、先回りしていうと、
地裁では、仮眠時間も労働時間であるとして請求全面認容。
高裁では、仮眠時間も労働時間であるとしたが、当然に賃金請求権が発生するのではない、と
ガクっと 額が下がって判決。
最高裁では、仮眠時間も労働時間であるとしたが、当然に賃金請求権が発生するのではないと
ここまでは、 「ほぼ」高裁と同じ。
だが 高裁さんは、
  変形労働制の成立につき検討してないんでないのかい、
  時間外労働時間の算定がおかしいんじゃないの、
  法37条の割増賃金の計算、間違ってんじゃないのかい、
と差し戻しちゃった。
そしたら、高裁審理中に、 当事者が地裁での判決額で和解しちゃった、、、
というものでした。

前にも言ったが、 仮眠時間が労基法上の労働時間であるか否かは、そう興味はない。
そんなもんか、あるいは そんなもんだろ、が正直な感想。

実務家社労士にとっては、むしろ、「その後」の方だ。
割増額をどのように計算したんだろうか。

地裁において、原告が請求したその考え方は このようなものであった

月給 195,660円 泊り勤務手当て1回につき2,300円
(賃金体系は こんな単純ではないが、煩瑣を避ける為割愛)
月間平均労働時間数 156時間
仮眠時間が労働時間とされることによって賃金計算を必要とされる時間は
 時間外時間 40時間(泊り勤務5回)
 うち 深夜分 35時間

時間外勤務手当 195,660÷156×1.25×40 =62,720
深夜勤務手当 195,660÷156×0.3×35=13,195
(この会社の賃金規程では 深夜に対しては30%の割増であった)
(端数が出て合いません。お気に召さるな)

上記2つの合計から、泊り勤務手当て(2300×5=11,500)を既支払分として
控除した額,すなわち
 62,270+13,195-11,500=63,965

このような考え方で計算すると、10人分それぞれ約6ヶ月で 請求額合計は
約300万であった。
(最高裁民事判例集56巻2号だと、一人ひとりの請求額が確認できます)

これを 地裁は すべて 認めた。

ところが 高裁では、
仮眠時間を労働時間としながらも、有名な句、
「仮眠時間が・・労働時間であるからといって、当然に時間にみあった賃金請求権が
生じるということはできない」
と、本体部分(1.25でいうところの100の部分)の請求を否定し、請求額を大幅に
減らして判決した。

 さて、高裁は どんな考え方であったのか。どのような理論構成であったのか。

つづく。。。。(ナンチャッテ)
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以下訂正、自己批判?
上記、
「本体部分(1.25でいうところの100の部分)の請求を否定し、請求額を大幅に
減らして判決した。」
というのは まちがい でした。

大幅に減らされたのは 間違いではありませんが、 時間外労働とされた時間
のカウントが大幅に減ったということです。
1審原告のほとんど(1名を除いて)残業なし、との判定です。

残業があったとされたわずか1名の 時間外計算を トレース すると、 
100部分も普通に計算されて、判決されてます。
230880円÷156時間×1.25×12時間(63年2月分)というあんばいです。

してみると、
「当然に発生するわけでない」とは、 単に言ってみただけ、ということ?

いやいや、「言ってみた」ことが大きいノダ、ということでしょうかね。

・・・・・・・と ジコヒハン でした   m(_ _)m
 

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いえいえ、必ずしも まちがい というのでもナイナ。
というのも、
最高裁判決文いわく、
「・・・泊り勤務手当て以外には賃金を支給しないものとされていた
と解釈するのが相当である」

つまり、払い分(貰い分)は、もうないよ、と。
しかし、労基法13条の直立効により云々と続くわけだ。

してみると、最高裁は、 控訴審のこの式、
230880円÷156時間×1.25×12時間(63年2月分)
を否定してることになりますな。

はっきりとはいってないが、
230880円÷156時間×0.25×12時間、でいいのよ といってることに
なる。

うーん、、、
差し戻されちゃったのが残念だ。










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