2014年4月28日月曜日

竹藤事件(3)

ジュリスト2013-2月(1450号)に島村暁代先生の評釈があります。

 これまで、行政実務や下級審は保険関係の成否を見ずに、業務遂行性の有無にばかり集中していた、、、、そうした姿勢に最高裁判決は、釘を刺したものであると読み取りつつも、判決には「やや疑問がある」としています。

どこが疑問か-------。

最高裁は、本件を不支給と判断したのは、建築業務と営業等業務の事業の別個性ゆえである。
判旨は、別個性を2つの理由から、すなわち、
1現場と事務所拠点で場所が異なること 
2それら業務では保険料率が異なること
をあげているが、本件では、1についていうと、有期事業の一括としての保険関係成立であり、それは場所的な独立性を捨象するための仕組みであるんだから、場所の異なりを強調して保険関係の不成立をいっても、ちょっと 説得力に欠けるんでないの?

また、2についていえば、保険料率が異なる別事業との取扱いは強制されるものでもあるまい、両方を含めて(一つの事業と)解釈する余地もあるんでないの?通達にもいわく、相異なる数種の事業を行っていても、その事業運営の一過程に過ぎないとみられる場合は一括して保険料率を適用せよ、としてるでないか。
 だから、この料率が違う業種だとの理由も決定的ではないね、と。

概略、先生の言う疑問とはこんなところでしょうか。

***

実務屋からすると、先生もちょっと勘違いされてるのでは、というところが見えますね。

このようにいいます。
現場ごとの保険関係は、被災者が特別加入する際に前提とした保険関係ではない。だって、当該保険関係の事業主は元請業者なので、ご本人は 事業主といえず、特別加入できないではないか。
では、なにを根拠に特別加入?といえば----
下請業者を事業主として、有期事業を一括する保険技術が利用されているようである、と。

むむ。
有期事業の一括とは、下請業務に限ったはなしではない。いや 下請業務には、そもそも一括の問題は生じないということは、実務の世界では当たり前の話。
ですから この方面から「場所的な独立性を捨象する仕組み」を説得して、保険関係成立の必要性なし、よって、既成立(現場作業としての)の特別加入で当該事故をカバーしうるとの主張は、弱い、かな。

むしろ、
これはsr-jinjinのおねだりにもなるんだが、
実務上で、(行政運用上で、ということですが)業種が異なることによる保険関係の別個成立は、
継続事業+継続事業の場合、通常させない。つまり ダブルで成立させていない。
しかし、有期事業+継続事業の場合は (必ず)別個成立させている。
具体的にいうと、前者は、 プレス工場が、金型設計部門を持ってる場合など。後者は、建設資材販売をメーンとする会社が、工事を請け負う場合などである。

この有期事業が一定規模以下の場合、一括となる。
よって この段階で、上記図式は次の3つとなる。
1 継続+継続....................一個の保険関係
2 有期+継続....................二個の保険関係
3 有期一括+継続............二個の保険関係

最後の3を 2との比較で 似て非なるものとの理論展開し、また 1との比較において、非であって似るもの(?)との理論展開により、 保険関係別個成立の不必要性を説得してほしいかったですね。

追記。
この島村先生の評釈で初めて、当該事故は、死体発見が数か月後であったということがわかりました。

 誰もいってないけど。この事情、最高裁判決に影響なかたのかなあ。







 

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